2024年8月16日(金)、北アイルランドの首都ベルファストにあるBoucher Road Playing Fieldsで開催された、リアム・ギャラガーの『Definitery Maybe』発売30周年記念ライブに行ってきました。
Boucher Playing Fields入場 16:00
前日からベルファストの会場まで徒歩30分の場所に宿泊し、当日は16時の開場に合わせて歩いて行きましたが、思わぬ事態で当初予定していた道が通行止めだったため、仕方なく警備員の誘導に従いながら、大回りをして会場へ向かいました。。見知らぬ道を同じく徒歩参戦の人たちと抜きつ抜かれつ進みながら、大通りの一方通行に出たところで行列に合流し、到着したのはJAGUAR(Land Rover)の販売店前にある入場口で、行列に並びながらショールームの豪華な展示に後ろ髪を引かれつつ足を進めました。
Opening ACT 18:20 – Esmeralda Road, KASABIAN
18:20 Esmeralda Road(エスメラルダ ロード)
実はこのライブで初めて知ったのですが、ベルファスト出身の7人組のインディーバンド。開始直前、本人たちによる音源チェック中にギターのアンプが突然ボンッという爆音を出し、再調整に入るというアクシデントに見舞われ、ステージ上でスタッフが対応している間、少しぎこちない空気が流れていましたが、機転を利かせたメンバーが「Tequila/テキーラ」のサックス演奏を始め、場を和ませました。
バンドは2021年に、中等学校の最終学年で3人組のバンドを結成したそうで、2010年代後半のジャズシーンから大きな影響を受け、ジャズやファンクをはじめ、スカなどさまざまなジャンルの音楽を取り入れながら成長しているバンドのようです。
個人的には、イギリスのPulpを思い出すような雰囲気のボーカルだなと感じました。
19:20 Kasabian(カサビアン)
彼らは、日本には2004年のサマーソニックで初来日して以来、単独でも来日しており、UKロック界の絶対王者と呼ばれるほどの存在感を持つバンド。1997年にイギリスで結成され、2004年にデビューしてからリリースした7作のアルバムのうち、6作が連続で全英チャート1位を獲得しており、さらに、英国の数々の音楽賞を受賞しているという、まさに20年近くも人気を誇るバンド!のようです。(このバンドについても全く知見がありませんでした。)
会場では、周りの観客が一緒に歌いライブを楽しんでおり、私の隣にいた男性は、カサビアンの出番前に観客の間をかき分けて一番前を陣取り、ノリノリで踊り、曲によってはライブ動画をスマホで一生懸命撮影していました。リアムよりもこちらのバンドが彼のメインアクトだったのかも知れません。
ステージ上には彼らの最新アルバム『HAPPENINGS』の文字が並んでいたのですが、彼らのことを知らなかった私は、登場と同時に観客が一斉に盛り上がったので、「あれ?リアム整形した?」「リアム、こんな曲調も歌えるようになったんだ」「バンドメンバーにもこんなに愛想が良くなったんだ」と、ステージ3列目で顔がよく見えていたにもかかわらず、しばらくリアムの新しいバンドだと勘違いしていました。
私はOASISのファンですが、2000年頃からUKロックから離れており、解散後もリアムのソロアルバムを1枚購入しただけなので、近影の記憶は曖昧になっていたせいか、まるでメインアクトのような観客の大歓声とその素晴らしいライブパフォーマンスに、半信半疑のまま数曲をリアムかなぁと半信半疑で勘違いしたまま踊っていました。
追記:カサビアンは、2005年にOASISのUSAツアーのサポートを務め、リアム&ノエルにもOASISの後継者として当時から実力を認められている日本でも大人気のバンド。2020年に前任のボーカルが脱退しておりますが、私は今回初見だったので何の偏見もなく楽しみました。
気に入った曲もあり、何曲か後で調べようと数秒程動画録画していたのですが、曲名を調べるのが大変だと思っていたところ、当日のセットリストがsetlist.fmにあったので、そちらから引用させていただきます。音源はsetlist.fmのサイトをご確認ください。
オープニング「Club Foot」、「Underdog」「Call」「Shoot The Runner」「You’re in Love With a Psycho」「Coming Back to Me Goode」「treat」「Vlad the Impaler」「L.S.F」「Fire」
setlist.fm : Aug16 2024 Kasabian Setlist
Stage change setting 20:15 – 21:05
オープニングアクトが終わるとステージセットの切り替えが始まりました。巨大な地球の空気ボールがゆっくりと膨らんでいき、フラミンゴやヤシの木など『Difinitely Maybe』のジャケ写が再現(配置が違いましたが)されていきました。さらに、ステージ上には大きな『2024』のパタパタ時計が現れ、2分ごとに年代が遡ってく演出に、『これは1994になったらライブ開始だな!』とニヤリとしました。
しかし、私は大きなフェスの参加が初めてだったので、オープニングアクトやセットチェンジを見込んで会場入りするという考えを持ち合わせておらず、ぼっちでの参戦。しかも、スタンバった場所がステージセンターの前から3列目(最終的には2列目)であり、その場を奪われたくない一心でそこから離れることもできず、会場の16時からほぼ立ちっぱなしでリアムを待っていた(18時までは周りの人に見習って地べたに座っていましたが)ので、開始予定の20:45になっても、まだ2000年代を表示しているパタパタ時計に「1994までまだまだあるな」と思い始め、この演出を最高潮には楽しめていませんでした。目の前にいたコミュニケーション力ハイパーな中年カップルは、交代でビールとジュース(常に2杯ずつ)を買ってきては周りの観客と談笑し、意気投合した別のカップルとは自撮り写真で盛り上がっていたのを横目に、足をぐるぐる回しながらストレッチをしてその時を待つのみでした。
Mein Act 21:05 – Liam Gallagher
パタパタ時計が『1994』に変わると、観客のあちこちから『Liam!Liam!』というコールがあがってきましたが、日本人発音の『リアム』に慣れている私には『リオン?ロオン?』と聞こえ、一瞬何を言っているんだろう?と戸惑いましたが、すぐにLiamをコールしていると気づいて「まだまだリスニング頑張らなきゃな」と冷静に考えました。
バンドメンバーがステージにパラパラと現れ始め、ステージの後ろではOASISの過去の映像と最新の映像?が流れていました。一瞬の静けさの後、ドラムスティックのカウントダウン『1・2、1・2・3・4』に続いて、ギターメロディーが「ジャーン、ジャラ、ジャ、ラーン」と響き渡り、続いてドラム音が「タッタッタッタ、タカタンタッタ、ドンドンドンドン」と力強く響き渡り「Rock’n Roll Star」が始まると、右袖からセンターマイクに向かって歩く人影。黒いキャップを深くかぶり、黒のプルオーバーパーカーを身にまとったその姿は、まさにあの頃のOASISのフロントマン、リアム・ギャラガーその人!思わず「カッコイイ」と声に出した自分にびっくり。歌い出すと、観客も一緒に歌い始め、私も登場の数秒だけ動画撮影したものの、その後は跳びはねて一緒に歌っていました。
2曲目の「Columbia」では、もう2度と叶わないだろう兄弟のハモリパートを思い出しつつも、過去は過去として今のバンドメンバーのコーラスを楽しみました。すべての曲についてコメントはしないのですが、「Whatever」や「Live Forever」では、過去のライブ映像を見て楽しんでいた自分が、今この場で観客と一緒に歌っている現実に感動しました。そして、リアムが歌う「Half the World Away」では、ノエルの優しい歌声とは異なり、リアムの荒っぽさの中にも優しさを感じる歌声に不思議な心地よい感覚に包まれました。
逆行で照明を後ろから当てられる演出により、リアムの立ち姿はまるで当時を彷彿とさせていて、歌声はアルバムでは擦れて出せなかった高音域が出るようになっている一方で、声量はやや落ちたように感じましたが、独特な歌いまわしに「これがOASISだー!!」と大興奮の一夜でした。もちろん、ノエルや他のメンバーがステージにいればと思わないわけではありませんでしたが、再結成が絶望的なバンドであることを考えると、リアムがデビューアルバム全曲を歌ってくれたことだけでも感謝です。
最後の「I am the Walrus」を歌い終えると、リアムは手に持っていたマラカスとタンバリンを客席に向けて投げ入れたので、「欲しい!」と思ったものの、私の3列ほど後ろに投げ込まれたタンバリンを巡って、観客同士が争奪戦の小競り合いを始めたのを見て、「欲しいけど巻き込まれなくて良かった」とも思いました。
『Difinitely Maybe』の中でも特に「Supersonic」は、私の人生に多大な影響を与えた曲であり、この曲をリアム、そして4万人の観客と一緒に歌えたことは、私の人生の最高の瞬間でした。当日のセットリストはsetlist.fmにあるのでそちらで映像と共にご確認ください。
Liam Gallagher Setlist-AUG 16 2024
After the party 10:20
最後の曲を終えると、アンコールの声援はなく、皆ぞろぞろと出口に向かっていました。私の前にいた女性は「more、more」と叫んでおり、私ももっとライブを見たいと思う気持ちはあるものの、ここから歩いて帰る道中には真っ暗な一本道があり、海外では夜道の一人歩きはしないと固く決めている自分にとっては大きなリスクを感じていたので、足早に出口へ向かいました。
会場は中心街からバスで40~50分ということもあり、ライブ2日前からTicket Masterから当日のバスの増便の交通情報やアクセス方法などのメールが届いていたものの、4万人の多くは歩いて帰路についていたと思います。
人込みに紛れながら歩いていると、「Don’t Look Back In Anger」を歌う人たちの歌声が響いてきました。誘われるように私も、周りを歩いている人たちも次々に口ずさみ、リアム本人のアンコールは無かったけれども、最高のライブの余韻に浸った帰り道でした。
大通りを歩いている時は大勢の人がいましたが、私の宿泊施設には1本道を入らなければならず、角を曲がるとと急な無人。この住宅街の道を一人で歩くのは怖かったのですが、バスが通る道でもなく行くしかないので、最大の警戒をしながら帰りました。
Epilogue
今回、私はこの『Difinitely Maybe』ツアーに参加するため、約3ヵ月間にわたるヨーロッパ周辺旅行を計画し、実行してきました。というのも、1995年に新宿リキッドリームで行われたOASISのライブに行かなかったことを、心の奥でずっと後悔していたからです。そんな中、デビューアルバム発売30周年記念ツアーが開催されるというニュースを聞いた時、『もうこれ以上後悔はしたくない!』と思い、すぐに参戦を決めました。迷ったのはどのライブ会場に行くかという点でしたが、やはりここは初めて足を踏み入れる北アイルランド、ベルファストだろうと、チケットを購入しました。
このライブの後、2024年8月27日、世界中を震撼させたOASIS再結成の正式発表がありました。もう二度と聞くことはないだろうと思っていたOASISサウンドが、2025年に新しい息吹きとともに戻ってくる!それだけでもう楽しみでしかないです。
案の定、復活ライブのチケットは10時間でソールドアウト。私も発売と同時に4万人のオンラインチケット購入列に並んでいましたが、自分の番が来て座席を確認する画面で、突然クルクルが始まり、そのままセッションが落ちてしまい購入できませんでした。その後、列に並びなおすと、待ち人数は23万人になっていました。
とはいえ、海外では公式のチケット売買プラットフォームがあり、チケットは購入時以上の価格にはできないとのこと。来年のライブ開催まで、チケット情報を確認しながら、運が良ければ購入できるかも、という気持ちで気長に待ちたいと思います。
コメント
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